2014年12月30日火曜日

我が人生最悪の年その2

昨年、つまり2013年はこれまでのほほんと生きてきた私にとって大きな試練の年だった。
受難週にボランティア活動を一緒にやってきた教会の友人、復活週の月曜日に20年一緒に生きてきた愛猫を天に送り、夏には身内も失った。
職場での問題もあって、”一身上のこと”では、間違いなく最悪の年だと言えた。
あんまり立ち直りも早くはなくて、黙ったまま事情を話せない、知人からの通知に返事ができない(事情を書こうとすると泣けてしまう)という状態でもあった。
不義理をした人たちには申し訳ないと思っている。

それで、今年はまあそこまでは酷いことは起こらないのではないか、もう少しいいことがあるのではないか、と思っていた。

でも、今年も、率直に言うとあまり良い年ではなくて、悲しいことがたくさんあった。
もう過去は戻ってこないのだと思い知らされる。

一身上のことはともかく、サッカーに関しては、去年以上に悪いことが起こり、間違いなく最悪の年となったのがこの2014年であった。

まず、贔屓のクルィリヤ=ソヴェートフ・サマラがとうとう降格してしまったこと。
プレミアから一部リーグになったことで、選手たちもかなりチームを去ってしまった。
それで一シーズンでプレミアに復帰してくれるといいのだが(かつてのチェルノモーレツ・オデッサみたいに)、現在4位。
予断を許さない。
そしてクルィリヤとともに、ヴォルガ・ニージニー=ノヴゴロドも降格してしまったのだ。
ロシアプレミアリーグ創設以来、ずっとその地位を守ってきたクルィリヤ(二都以外のクラブでは唯一降格を経験せずずっとプレミアにい続けていた)と違ってヴォルガは一部とプレミアを行ったり来たりのヨーヨー状態だったのだが、このところ元ロシア代表で固め、私が応援し続けていたカリャカをはじめ、ブルィキン、スィチョフら馴染みの選手が多かったから、クルィリヤの次に贔屓にしていたのだが、やはり経済力では地方都市のクラブはモスクワのお金持ちクラブに対抗するのは難しいのだ、今回もプレミアの座を守ることはできなかった。

そして、遂にカーリャが、アンドレイ・カリャカが、ヴォルガとの契約を終了した後、次の行く先を探すことができずに、現役を引退することになったこと。
ここ何年かは、そろそろかなあと恐れながら、冬と夏の移籍市場の時期を過ごしていた。
でも、その前にそういうニュースが目に入ってしまった。
好きな選手はたくさんいるけれど、引退して泣いてしまったという選手はこれまでカーリャを含めて3人である(たぶん)。
エスパルス一筋だった大榎克己さん。
清水在住の友人がメールで知らせてきた。
そのときはまだ大丈夫だという心情だったけれど、翌日の新聞で活字になったのを目にしたらなぜか涙がぽろぽろ流れ出てしまった。

あとはアジアのカリスマFW,、アリ・ダエイ。
彼はプレイング・マネージャーとして優勝を手にして、選手としては有終の美を飾っての引退だったはずだ。けど、その後の指導者としての実績はまだまだ評価されるようなものがない。

そして、カーリャだが、彼の故郷ドニエプロペトロフスクが(ドンバスほどではないにせよ)争乱に晒されたことを思うと、これまた心痛む。
ロシア国籍を得て、ロシア代表を選択したことで、カーリャが「現役最後のクラブはドニエプルで」などとは考えていなかったとは思うが、どんな思いであのあたりのニュースを見守っていただろうかと、考えれば考えるほど切ない。

そしてそして、最悪だったのはオデッサのジェノサイドだ。
その一端をライブ配信で観てしまったこと。
観ていても、そこで人が殺されようとされているのに、自分はまったく無力で、何をしてよいのか全く分からずに呆然としてしまったこと。
チェルノモーレツ・オデッサとメタリスト・ハリコフの試合を観るつもりだった。
その試合の前に計画された両チームのファンたちによる、ウクライナ統一維持を支持するデモンストレーションが、後の暴動、ひいてはクリコヴォ広場前の建物への放火、虐殺と直接の関係はない、と私は今でも信じているが、追悼の言葉を述べず、事件そのものがなかったかのようにふるまうチェルノモーレツの態度には非常に不信感を持った。
(これまでここここあるいはここに書いたが、まだ気持ちは整理できていない。)
ファンを辞めた方がいいのではないかと考えたし(それでもやめられなかったが)、しばらくはサッカーの試合を観ることに罪悪感というのだろうか、息苦しさと言うのか、一種のトラウマがあった。
今でも・・・そう、あの日で私のサッカー観戦はもはや無邪気なものではなくなったのだ。





酷い年だった、としかいいようがない。

せめて、エスパルスがどうにか残留を決めたのが救いだ。
でも、ゴトビさんが去って、大榎さんが後任になってのこと。
ゴトビさんは試合会場でジュビロファンからいわれなき誹謗中傷を受けたこともあったし(ジュビロファンの方には蒸し返すようで申し訳ないが、やはり忘れえないことだ)、東日本震災と福島原発事故後Jリーグの外国人選手・スタッフが相次いで日本を離れる中、ずっと清水に留まってエスパルスと共にいてくださった。感謝する。
この先のゴトビさんに栄光と平安とを切に願う。
この、ゴトビさん解任と大榎さん監督就任に関しては、元野球選手の高木豊さんのブログを読んだ(ヤフーニュースかなんかで知ったのだと思う)。現在高木さんの息子がエスパルスにいるのだということだ。
高木豊さんは俊足のスター選手だったという印象と持っていた(私はパ・リーグ、特に今は亡き近鉄バファローズのファンだったのでセ・リーグのことはあまりよく知らない)が、ゴトビさんへの感謝の念と大榎さんへの期待をこめた感動的な文をものしていた。
高木さんがこれだけの名文を書くような人だとは、正直言ってとても意外だった。見直した。高木さんのお子さんがすばらしいサッカー選手になってくれればよいと願う。

それにしても。
来年は、もうカーリャはいないのだ。
もうすぐそういう日が来る、と知っていたのに、やはり全然覚悟ができていなかった。

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