2017年9月12日火曜日

アガタ・クレシャの「夜明けの祈り」

アガタ・クレシャはポーランドの女優で「イーダ」ではヒロインの伯母で”赤いヴァンダ”と呼ばれた共産主義に忠実な検察官を演じていたし、去年観た「ルージャ/薔薇」では少数民族マズールィのヒロインを熱演していた。
今日観たポーランド・フランス合作映画「夜明けの祈り」"Непорочные"では女子修道院長役。
圧倒的存在感である。

修道院がどういうヒエラルキーを持っているのかよくわからないが、院長に準じるような役割をしている修道女マリア(ストーリーの都合上フランス語が達者。上流階級の出身という設定か)を演じるアガタ・ブセクは特徴的な美貌の持ち主で、プログラムを読むまで思い出せなかったが、私がワイダ作品の中で最も好きな「仕返し」のヒロインで、最近ではスコリモフスキの「イレブン・ミニッツ」にも出演していたと。

その他修道女のポーランド女優は清楚な美女が溢れていていい。

ナチス・ドイツ敗退後ポーランドを占領したソ連兵が各地で狼藉を働き、女子修道院にも押し入って修道女たちをレイプして妊娠させた(加えて性病を感染させたりもした)。
彼女らの出産が近づき、修道女マリアが思い余ってフランス赤十字の女医マチルドに助けを求め、マチルドは最初は断るけど助けざるを得ない…

監督・撮影監督とも女性で、いい映画だけど、フランス人が他国のことを撮った映画にありがちな上から目線が感じられることは引っかかる。
修道女と子どもたちを救った彼女の行為は尊いが、ユダヤ人にビザを発行して救った杉原千畝の行為を日本人(一般が)偉かったイメージで報じるのと同様の路線になってしまうとあれだなあと思う。
ポーランド人監督が撮ったら(それこそホラントとかケンジェジャフスカとか)よかったのではないかなあ。

マチルドは親が共産党で自身は党員ではない(けれど多分に無神論者っぽく、修道女たちの思考や行動には違和感を持つ)設定で、労働者階級で苦労して医者になった人として描かれているが、モデルになったマドレーヌ・ポーリアックは戦中はレジスタンスに身を投じていたとある。
多少濡れ場はあるものの、余分なメロドラマがないのは清々しい。
(たぶん女性監督だからあっさりしているのだと思う。よかった。)
映画では任務終了後帰国して修道院から報告を受けるところで終わっていたが、実話はより悲劇的で1946年2月にワルシャワで事故死しているという。
…というと、アグニエシュカ・ホラントの「ソハの地下水道」主人公のソハみたいな最期だったのか。

戦争中や戦後のポーランドにおける女性の受難、特に強姦の被害者という点に焦点をあてたものとしてはやはり「ルージャ/薔薇」の方が強烈で且つきめ細かかった。
思うに、監督の思うところはマチルドにかなり投影されていて、こんなときに信仰心に拘っているなよって言いたげに思え、修道女の信仰や行動様式には割と冷めた目て見ていると思う。



でも、この撮影監督さんは好きだなあ。
白樺林の場面はとても綺麗だ。

あと、やはりソ連兵の描かれ方は酷い。
ソ連兵の狼藉に関して、仕方なかったとか何が悪いという認識なのだろうか、当人たち及び現在の国民は。
昔も今もきちんとした反省はしていないように思うが、そんなことでこの先もいいのか。
それともどこかの国みたいにそんなことはなかったと主張するのだろうか。

夕焼けもきれいだった。
小雨降る中、近くの野原に撮りに行った。





←副虹見えますか?




2017年9月11日月曜日

録画メモ

クルーズシリーズ?
①②ヴォルガ
③バルト
④サハリン
⑤⑥エニセイ
⑦カムチャツカ 

録画メモ

ノスタルジア
らららクラシック チャイコフスキー
命懸ける恋 岡田嘉子
戦火のマエストロ 近藤秀麿

2017年9月9日土曜日

夏の広島⑥旧日銀広島支店

袋町小学校平和資料館では、友人が広島市内巡りをしているのに出会って、彼女からの情報で、日銀に行ってみた。(2017.8.5)

外観の写真を撮り忘れたのだが(迂闊)、日銀は爆心から380メートルだったが、その堅牢な造りのために、ほぼ当時のままの姿で建っている。
「そのとき」支店内にいた28人のうち18人が生き延びたとのこと。

現在は市民ホールとなっているようで、1階ではコンサートと展示が、地階では原爆写真展が行われていた。


 
イランの「メヘルナワ」というグループによる演奏
おお!女性ヴォーカル!
かの地では女性の声は誘惑だとか言って、人前で歌うのが許されないみたいなことが映画「ペルシャ猫を誰も知らない」では言われていたのだが・・・。



1階に展示されていたのは「起き上りこぼし展」
呼びかけ人は漫画家のちばてつや氏か。
真ん中の白いのがちばてつや氏作の起き上りこぼし



有名無名の方たちの作品が並ぶ。

有名、とはいえ、ちばてつやさんの作品をちゃんと読んだことはなかった。
なので、昨日(9月9日)西新宿に観に行って来た。

まあ、これについては別項で書くと思うが、満州からの引き揚げで壮絶な体験をしてきた方だ。

あれですよ、”僕たちの人生は 平和と自由求めて 生きていけばいいのさ”って、歌もあるように、何度でも起き上って諦めないで(オラシャヤーン)生きていくのだ。

地階では、うちの地元でもやっていたような原爆写真パネル展が行われていた。
(ただパネル写真の貸し出しは今後は難しいとのことで、これからは観られないかもと言われているので。)
原爆の前にはどんな町だったかを示すものも。
外国の人が多く展示を熱心に見入っていたのが印象的だった。
 

2017年9月8日金曜日

夏の広島⑤原爆と戦争展

いっけな~い。
旅行記、途切れていました。
夏が終わり気味だ。急げ。

袋町小学校平和資料館に入る前、入り口でフライヤー配っていた人がいて、隣の公民館みたいな建物で展示をやっているので見ていってください、というので、どうせだから覗いてみた。
(外はとにかく暑くて出歩きたくなくて、室内に避難。)

涼しい室内で見学だ。

第16回広島「原爆と戦争展」

これ、ほんとに充実した展示でした。
8月に戦争展、原爆パネル展示だったら、私の住んでいる市でも毎年やっているのだけど(ところが今年は、広島長崎どちらからかは「傷むので今後はもう貸し出せない」と言われてしまったらしい。「毎年同じような展示だな、少しは工夫しないと今どきの人は見なくなるぞ」とか思っていたら、同じパネル展示でもいいから記憶風化させないためにとにかく続けろって気に俄然なった)、そういったいつもの見覚えのあるような戦争についてのパネル展ではなかったのだ。

エグかった。
日本・アメリカ双方の、戦中戦後の犯罪的な行為を、冷静に指摘していた。
その後、NHKで放映されてかなりの反響を呼んだインパール作戦に関しても
「飢えと自決で死体散乱 ビルマ・インパール作戦」
「米軍は残虐だった 皆殺しする作戦だった」

アメリカの戦争犯罪についても
「終戦まぎわまで空襲」
「戦後支配の野望のために虫けらのように焼き殺した」(下関空襲)
「無差別の県民大虐殺」(沖縄戦の真実)
「基地を奪い取るための大量殺りく」(同上)
「戦争を忘れさせよ 慰霊碑許可せぬGHQ」(語られなかった東京大空襲の真実)
「原爆は戦争終結のためには必要なかった」(原水禁運動)
「原爆使用が正しいとはいわせぬ力をつくった」(同上)
と、厳しく見ている。アメリカ=正義の味方、ではない。
ああ、私の市ではとっても無理そうな展示だわ。
でも、はっきり言ってこちらの方が正しい原爆・戦争パネル展だと思うわ。

2017年8月31日木曜日

猫いるいるいる日本史

鳥獣戯画に猫絵もあった(しかも可愛い)、お公家さんが猫を所望するお手紙、などなど猫にまつわる日本史の読み直しが楽しい。猫好きの小林一茶の話はもっとあって欲しかった。