2011年3月15日火曜日

私の本棚

今までやり方がわからなかったブログパーツの貼り付け方を学びました。
それで、このブログの右下(かなり下です)に、本棚のブログパーツを貼り付けました。



地震の後、自宅に引きこもらざるを得なかった間に、ささっと読めてしまったのがこの本。
ガリーナ・アルテミエヴァ著『ピクニック』。
「今ロシアで最も読まれている女性作家」とのこと。

最近のロシアでよく読まれているという、例のペレーヴィンに関しては、先日書いたように、どうも肌が合わない。
が、アルテミエヴァはすらすらと読めた。
そしてどの短編も心に滲みた。
特に表題作ですね。
『モスクワの孤独』の、特にラリーサ・ボゴラスの項でみた、ソ連での、それこそ窒息しそうな中での、いわゆる「人権派」の人たちの活動。
それは、痛ましくも、気高い、かくも感動的な闘いであったのだが。
でも、その陰で「人権派」の周囲の人々(ここでは娘)は…。
無垢と言ってもいいだろうか、「社会主義リアリズムって死ぬほど退屈なんだってよ」という、親友になれたかもしれない、KGBを親に持つ少女。
それに、元仲よしの、しかし嫌らしいほどに体制順応的だった少女も。
民族を問われて口ごもる優等生の同級生男子。
皆、痛々しく愛おしい。
ウリツカヤの『それそれの少女時代』にも似ているけれど、あれよりべたべたしていなくて、いい。

そういえば、『おっぱいとトラクター』もさらっと読んだ。
おもしろくなくはないけれど、いかんせん品が・・・。
作者はウクライナ系移民ながら、文体は『ハードワーク~低賃金で働くということ』のトインビーや『ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実』のエーレンライクを読んでいるような、そんな感じがした。
ハンガリー移民を先祖に持つサルコジが、現在移民に異様に厳しい。
そんな現実が、庶民レベルでわかってしまうような、そんな本ではある。

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