2011年4月9日土曜日

サロン

月餅にカリーにピロシキ。
どういう組み合わせだ?
いったい何屋さんなの??

と前々から思っていた新宿中村屋。
井上ひさしの遺作『一週間』にも、主人公が「活動」する場として登場。
(新宿武蔵野館も登場。感慨深い。)
母からもう少し詳しく聞いてみるが、祖父母もその節には通っていたという話。
インドのボース、ロシアのエロシェンコら多士済々のサロン。
何とも不思議な時空間。

「新宿中村屋に咲いた文化芸術」展が四谷三丁目の新宿区立新宿歴史博物館で開催されている。
が、会期は4月10日まで。
というので、急ぎ足を運んできました。

実は会期は前半と後半に分かれていて、入口のところでやっていた中村屋のパネル写真は、前半が戦前編だったので、それを見逃したのは残念だった。

荻原碌山、中村彝など創業者家族とのやや深刻な恋愛感情の縺れなどありながら、芸術家・社会運動家が集まっていた中村屋。

茨城県立美術館所蔵の「若きカフカス人」のモデルになったニンツァ。
ロシア人ということになっているけれど、どうでしょう、オセット人あたりだったのかもしれませんね。
中村屋サロンを去った後(画家の中原悌二郎とは早々に喧嘩別れしている)はどうなったのでしょうか。

画家たちのモデルとなった詩人エロシェンコ。
「年代的には会っているはず」という祖父は、会っていたとしたら当然エスペラントで会話していたでしょう。
中村彝の描いたエロシェンコの肖像は詩人風、鶴田吾郎のそれは瞑想的。ともに傑作。
しかし、これらも含めて中村屋サロンの絵画は何となく色調が似通っている。

演劇関係者についての展示は少なかったけれど、図録にはやや詳しく、しかもエスペラントとの関係も割と丁寧に追っていて、貴重なものとなっていますね。
(図録1000円はちょっと高いかと思ったけれど、買ってよかった。)


中庭の桜にヒヨドリが。
この後、中庭の桜を背景に写真を撮り(撮ってもらい)、帰宅してからジンバブウェのお友達(プランのチャイルド。テオドラちゃんという名前)に宛てて送信しました。

こちらは博物館の手前のマンションのキクウメ

このあと、新宿へ。
タカノフルーツパーラーのビルにあるコニカミノルタプラザで「金子裕昭写真展 タンザニア セレンゲティ…「それぞれの時」」展を鑑賞。
こういう写真が好きでたまらない。
動物たちの面構えが素敵だ。
木に獲物を引っぱり上げてご満悦だったり、家族と分け合ってちょっとしょぼくれた表情をしていたりとか。

且つ、隣の新宿中村屋でピロシキを買った。
そう言えば、展覧会ではボルシチの紹介はしていたけれど、ピロシキについての言及がなかった。
カリーも、月餅も、ボルシチも、ピロシキも、中村屋のは、本場の味そのものではなくて、それ風を保ちながら日本人好みにアレンジしているのが特徴だ。
ボルシチはビーツは入れていなくてトマトだし、ピロシキも揚げている(ロシアでは揚げるピロシキは一般的ではない)。
月餅は本場のより油っぽさをとるようにしたようだけれど、ピロシキは油分アップしている。
でもピロシキおいしい。

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