2011年5月21日土曜日

ヤー・ドゥーマユさん

黒田龍之助先生のご著書に追加。
『大学生からの文章表現 無難で退屈な日本語から卒業する』ちくま新書2011年2月刊

このブログでは実践していない(単なる日記なので他人におもしろく読んでいただこうというサービスをする必要を感じない)が、
*「思う」を使わない
の大原則は、普段書く文章(仕事上や、手紙・メールなど)ではできるだけ守ってきたつもりだ。

しかし。
と、再び逆接語を入れる。

ロシア語を話すときは、「思う」と言ってしまっていいのである。
というのは、それを恐れていると何も話せなくなるからで、且つ「私、思うんだけど…」と言っている間に、言うべきこと・返答を考える、つまり時間稼ぎに使えるので、大いに活用するべしなのだ。

という話も、実は黒田先生が元ネタです。
但し、である。
「でもあんまり何度もヤー・ドゥーマユ、ヤー・ドゥーマユって言っていると、ロシア人たちにヤー・ドゥーマユってあだ名をつけられてしまいますからね!」
*Я думаю,(ヤー・ドゥーマユ)
*Мне кажется,(ムニェ・カージェッツァ)
*По-моему(パモーエム)
の3種類は使いこなさなきゃいけませんよ!!
…というお達しでした。

自己紹介でも、
「私は大学生です」「私は長野県出身です」「私は7月28日生まれです。星座は獅子座です」
と、「私は…です」の連続だと、とっても単調。
(英語だとI am…や I'm…の連続になるし、ロシア語はbe動詞にあたる動詞は現在形では使わないもののヤー…、ヤー…のリフレイン。)
それは避けるよう、気をつけましょう。
*適当に文型に変化を持たせる(S+V+Cばかりでなく、S+V+Oも混ぜるとか)
*主語を変える(視点を変える)
こんな話を『ロシア語を話しましょう』の第1課を習ったときにおっしゃっていたと記憶しています。

例えば、

「昨日は動物園に行ってきました」
*Вчера мы ездили в зоопарк.
*Вчера мы были в зоопарке.

「私は秘書です」だと
*Я -- секретарь.
*Я работаю секретарём.

「大学生のころはサッカーをやっていました」だったら、
*Когда я была студенткой, я иногда играла в футбол.
*Я была футболисткой, когда я училась в университете.

等々。

ところで。
「私、思うんだけど」と、「思う」を最初に持ってくるのは、ロシア語などヨーロッパの諸語では一般的でも、日本語ではやや不自然です。
サッカーファンには有名な「トッティ王子の小咄」シリーズの「うそを言うと消える鏡」編で、前段としてデルピエロ、インザーギが
「自分は世界一…だと思う」
としゃべり、トッティが「思う」「考える」と言った途端に…というオチが生じるのは、イタリア語では「我思う」部分が文頭にくるからこそ、なのであって、そこの自然な日本語訳は難しいですね。

と、とりとめのない話になってきたので、いきなり終了。
(「逆接の助詞「が」を多用しない」原則も難しい…)

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