2011年6月5日日曜日

再会のチェーホフ

何度か書いたことですが、私のチェーホフとのファーストコンタクトは、母が読み聞かせをしてくれた『くり色の犬 チェホフの本(日本児童文庫68)』アルス昭和33年刊です。
訳者は樹下節(じゅげ・たかし)。
「くり色の犬」
「川めんたい」
「ワーニカ」
「なげき」
「こどもたち」
「少年」
「ひろ野 旅のできごと」
の7編。
絵は遠藤てるよ。

「くり色の犬」は『カシタンカ』です。
カシタンカは「くり公」って訳されていて、可愛さ満点です。
「こどもたち」は『少年たち』。
この2冊は未知谷の「チェーホフ・コレクション」で再会。
「ワーニカ」にはアニメーション「この悲しみを誰に伝えよう」で再会しました。

そしてこのたび「チェーホフ・コレクション」に、中村喜和訳エカテリーナ・ロシコーワ絵で『エゴール少年 大草原の旅』が加わり、「ひろ野 旅のできごと」と再会。

セルゲイ・ボンダルチュクの映画でも、実に心に浸みいる、少年が大人への一歩を踏み出すきっかけとなった草原の旅を描いたチェーホフの中編で、今回中村先生の解説で、これが作家チェーホフの本名での、本格的デビュー作なのだと知りました。
信心深く且つ俗っぽくもあるフリストフォール神父がエゴールカに語る学問の奨めが、今読み直すとなぜこんなに心に響くのだろう?

このチェーホフ・コレクションの訳でも約半分の量と知って、『くり色の犬』を引っ張り出して確かめたら、こちらは雷のエピソードだけの訳でした。
なのにその他の印象も強く残っているのはやはりボンダルチュクの映画のおかげかしら?

何度も何度も再会したい、子どもの頃出会ったチェーホフ。

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