2012年3月2日金曜日

ウズベクのサッカー選手にかっこいい人がいて

思い立ってロシア語を勉強し始めた頃だから、だいぶ前のことになる。
初回の授業で、なぜロシア語を学ぶ気になったのかをそれぞれ述べよ、ということになり(←ありがちな話でしょ?)、「バレエ」とか「音楽」とか「文学」とかのロシアの芸術に関心があって、というのが最もよくあるパターンだが、偶に政治や歴史から入ったという奇特な人もいる。
本人あるいは身近な人がロシア人と親しくなって、という人もある程度いた。
スポーツではフィギュアスケート派が多数を占める。
それと、理由はないけれどとにかくロシアが好きで好きで仕方ないという人も結構いる。
なぜなんだ?と思うが、人には誰しも内心の自由というものがあり、それで迷惑をかけているわけでもないのでご勝手に。

その中で「ウズベクのサッカー選手のファンなので。かっこいい人がいるんです」と言う人がいたのには驚いた。
ウズベクですよ、ウズベキスタン。
ロシア語の授業で、ロシアでもウクライナでもなく、ウズベキスタンの選手が好きだからロシア語を始めましたって、それってとんでもなくレアではないか。

私は既に年季の入ったサッカーファンになっていたのだが、ワールドカップアジア予選で日本と同じグループに入ったウズベキスタン代表(とカザフスタン代表)に関しては「ロシア系っぽい選手が多いみたいだ」「そのうち強くなるかも」という印象を漠然と持っただけだった。
(その頃、ロシアやウクライナの代表選手たちにもさしたる関心は持っていなかった。)

先生が「それは何という選手ですか?」と尋ねたかもしれないけれど、記憶には残っていない。
とにかく、そんな人もいるのか、と驚いた、それが大きい。

その半年後か一年後か、別の先生の授業で、やはりロシア語を始めたきっかけを述べる場があった。
やっぱりバレエとか新体操とかドストエフスキーとかいう中で
「サッカーファンですけど、ウズベクにかっこいい選手がいて」
と言った人がいたので、私は耳を疑った。

ウズベクと言ったら普通シルクロードじゃないか。
(「シルクロードにおけるイスラム商人の歴史的役割について」みたいなことを研究するため、タシケントの大学に留学しようという知人がいたからだ。)

ウズベクにはそんなにかっこいい選手がいるのか!
それが誰のことなのか、さらに前期のクラスメイトのウズベクサッカーファンと同じ選手のことを言っているのか、それは今となっては謎である。

それにしても、彼女らをして「あの選手が好き!あの選手のことを知るためにロシア語をやってみよう!」と思わせたのだから、そのウズベクのサッカー選手(たち?)はたいしたものである。
私の周囲で、サッカー絡みでロシア語を学ぼうと思ったという人は、後にも先にも彼女たち二人のみだ。

さて、ディナモからヴォルガに移った、かのアンドレイ・カリャカは、ドニエプロペトロフスク出身のウクライナ系元ロシア代表だが、ウズベキスタン代表入りを打診されたこともあるそうだ。
出自や経歴からウズベキスタンと直接の繋がりはないようなのだけれど、何らかの伝手があるらしい。
クルィリヤでカシモフと同僚だったということがあり、彼の引退試合には招待されていたように思うが。

今回の移籍でも、
- У Вас были предложения от других коллективов?- Да, были: с Украины, из Узбекистана, от нескольких российских клубов.
(「他からの引きはあったのか」という問いに対して「ウクライナやウズベキスタン、ロシアのクラブからもいつくかあった」)
と述べている。
こちらを参照)

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