2012年6月2日土曜日

ネヴァ河の囁き

ソクーロフ監督の「ファウスト」の初日だ。
が、今日の未明にはイタリア対ロシアのA代表の親善試合、ポルトガル対ロシアのU21のヨーロッパ選手権(2013年)予選と続けざまに観て、かなり疲労が溜まっているため、今日観に行くことは断念した。
こんな疲れた時に観たら熟睡だ、きっと。
(それでなくても…なソクーロフなので。)

映画を観ないうちに行くのは少々憚られたが、みやこうせいさんの写真展には足を運んだ。
みやこうせい「ソクーロフ―非日常の日常」

ギャラリーうちやまは、ややわかりにくいところにある。
私ははがきの案内図をみて行ったが、通り過ぎてしまった。
リクルートの向かいにあるのかと思ったら、それより手前だった。
一階に案内もないので、ビルの名前を確認して4階にあがってくださいね。

初日ということもあって、みやさん自身がいらっしゃって、数人の人が写真に魅入っていた。
ギャラリーはやや賑わいを見せていたが、作品自体は«静»の世界だ。
ペテルブルグ風景(ルーマニア・モルドヴァもののときとうってかわって静謐な空気が感じられる)、かなりリラックスした表情を見せる(←珍しい)端正な顔立ちのソクーロフ監督、そして映画「ファウスト」衣装4点、とコンパクトながらずっしり心に滲みる写真展だった。
(ペテルブルグ以外の、日本での撮影風景の写真もある。)

ペテルブルグの写真が忘れ難い。
ネヴァ河とペトロパヴロフスク要塞を背景にした士官学校生たちのシルエット、凍結したネヴァ河。
ヨシフ・ブロツキーや、あのフルジャノフスキーの「一部屋半」の世界だ。

映画をなんとか来週中に観て、そのうえでもう一度写真展に来たい。

『ファウスト』は現在読書中。
だいぶ忘れている。
特に第2部は。
でも、ソクーロフ監督が「ゲーテの作品をぜひお読みください」というメッセージを書かれているので、私も真面目に取り組んでいるところ。

父がメフィストフェレスを演じたのは何年前だろうか。
父がソクーロフ監督の「ファウスト」を観て、特にメフィストを翻案したという高利貸しを目にしたら、どんな感想を持っただろうか。

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