2013年1月9日水曜日

だいすきな本だった

児童文学といったら、まずはやはりイギリスだ、と思う。
細かくみていけばフランスやドイツやスペインも挙げられるのだろうが、やはり何をおいてもイギリスだ。

それからチェコとスロヴァキア。
チェコは世界で最初に絵本をつくったコメンスキーがいらっしゃるし、スロヴァキアは現絵本の国だ。

ロシア・ソ連も児童文化華やかなところだ。勿論。
小さい頃からロシアの絵本を読んで、ロシアのお話のお芝居を観て、人形劇を観て、アニメーションを観て、そうやって育った。
ソ連は特に、戦争児童文学の宝庫なのだった。
これからは戦争、ではなくてただの児童文学の宝庫でありつづけますように。

宮川やすえさんが亡くなったという新聞記事をみて、このお名前はかつてよく目にしたのだと懐かしく思った。
宮川さんが訳された絵本や児童文学の多くを今でも覚えている。
民話・お伽噺がたくさんあった。
けれど、なかでも印象深いのは、実は結構泣きながら読んだ記憶がある本。

レフ・カッシーリー『もえる貨物列車』
戦争中に列車である大事な荷物を運んでいる。ドイツ軍から解放された地方の子どもたち届けるあるものなのだ。大きな犠牲の挙句に任務が果たされ子どもたちがそれを手にするところが感動的だった。

ビクトール・ガリヤフキン『ぼくのだいすきなパパ』
バクーに住む甘えん坊のペーチャ。パパと平和に暮らしていたけれど、突然戦争によってパパは去っていく。そして帰ってこない。よくあるそういう話(特にソ連では)なのだけれど、泣けます。映画化もされているそうだ。

宮川さん、たくさんの贈り物をありがとうございました。

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