2014年10月7日火曜日

難しくて、とても暗欝な読後感…

「重大犯罪におよんだ精神障害者の再犯率が、一般の犯罪者に比べ、きわめて低いというデータ」は「精神保健福祉に関心のある人の間では、有名な数字」なのだそうだ。(関心がなかったせいもあり、全く知らなかった。)
それはともかく、著者の述べることには「う~ん、それでいいのか?」という思いが最後まで去らなかった。多害行為をしてしまった人に対してはやはり「怖い」という印象を持ってしまう。著者は多害行為をした精神障害者に対して終始同情的(「~してしまった」と叙述)、しかし精神科受診歴のある人の多害行為の被害者の大半が親族であり(そして警官に対する«公務執行妨害»)、第三者が少ないというデータがもっと公表されれば、精神障害者は危険という偏見を少しは払しょくできるのではないかという発言も取り上げられていたが、それで払しょくできるようには思えない。親族だって傷つけられたら犠牲者だもの。個々のケースも読んだ限りではあまり同情できないものが多かった。難しい。もちろん医療観察法という制度にいろいろ問題や矛盾があることは何となくわかったのだが…。

0 件のコメント:

コメントを投稿