2015年12月27日日曜日

映画予定メモ

マフマルバフまだ観に行っていないな。「独裁者と小さな孫」

「消えた声が、その名を呼ぶ」(2014 ドイツ・フランス・イタリア・ロシア・カナダ・ポーランド・トルコ)
(「Шрам(傷痕)」)
ファティ・アキン監督

『ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!』

「ロパートキナ 孤高の白鳥」




2015年12月26日土曜日

不完全版今年見た映画ベスト11

1.ジャファル・パナヒの「タクシー」
2.「ヴァ・バンク」「約束の土地」ポーランド映画祭
3.ミハイル・カウフマン(ジガ・ヴェルトフ弟)「春」
4.「クーキー」
5.「ブラックシー」及び「チャイルド44」
6.クリス・マルケル「笑う猫事件」
7.「タンジェリン」エストニア+グルジア
8.「マックスへの手紙」
9.「パレードへようこそ(原題:PRIDE)」
10「サンドラの週末」
11「ジミー、野を駆ける伝説」
番外:《川崎市市民ミュージアム特集上映》『戦争の記録と映画戦争映画の視点』セミョーン・アラノヴィチ「海に出た夏の旅」「トルペド航空隊」
「放浪の画家ピロスマニ」
「ボーダレス ぼくの船の国境線」
「草原の実験」
「イマジン」

2015年12月23日水曜日

明日のためのお料理

明日のお祝いのためボルシチやらゼリー寄せやら作っていた。



5月に近所のJAで買ったビーツで作っていた甘酢漬け、最後の一瓶を使ったので、春までボルシチはお預けかもしれない。

5月25日に作った甘酢漬け
 
 
お肉を煮てブイヨンを作っている間に、
・リンゴとセロリのヨーグルト和え
・ニンジンサラダ(マヨネーズは使わず、ヨーグルトとちょっぴり生クリーム、ニンニクとクルミ和え)
・この間のシチーに入れていた牛肉余りとセロリ、ニンジン、パプリカのゼリー寄せ
・リンゴのヴァレーニエ
を作る。
 
ヨージキは後で作ろう。

鶏ハムは切るだけにしてある。
あと、何かデザートを作る(たぶんゼリー系)。
文旦のピールはいっぱいあるけど…。

以上は明日のお祝いのためのお料理で、今日の夕食は九条ネギと白菜と豚肉の煮込み。

2015年12月22日火曜日

オデッサ・コスモス: ◆КНИГА『シベリアの掟』

オデッサ・コスモス: ◆КНИГА『シベリアの掟』: 遅まきながら今読んでいる『 シベリア の 掟 』、読みやすくておもしろいな。独特 の 掟 を持つ共同体(マフィアみたいな犯罪をものともしない集団だがある種 の モラルという仁義がある世界)は シベリア に存在するのかと思っていたら… シベリアの掟 著...

2015年12月15日火曜日

トルコの風のコンサート

トルコ航空主催のコンサートにマトリョーシカバッグにチェブラーシカタグつけたの持参で行った。伝統音楽になるのかな?歌詞は一言もわからなかった。割とウンザウンザの雰囲気で楽しかった。中でもスーフィーの旋回ダンス生で見られて感激。

video


video
トルコの風のコンサート@浜離宮朝日ホールで演じられたスーフィーの旋回ダンス 預言者アリへの愛を表現、とのこと。神秘的体験。

このコンサートでは写真も録画もOKとのことだったが、そうとは知らずデジカメやタブレットを持たず、携帯での撮影。
なので、きっかり15秒きり。
それと向きを変える方法がわからない。







2015年12月13日日曜日

イスラーム映画祭は続く

昨日はモーリタニア(マリ)、ドイツ(マリ)、モロッコ(フランス~トルコ・サウジアラビア等)、今日はイラン(レバノン、イラン)。
元々イラン映画ファンなのでイラン乃至西アジア作品を観たかったがトゥアレグ関連二本佳作を体験。中央アジアやウイグル作品もあったらなあ。

で、今日は待望のイラン映画「法の書」、ハーフェズ詩、コーラン朗読が多く、ペルシャ語とアラビア語が耳に快い映画だった。
最近は緻密で重たいアスガー・ファルハディ作品を観ることが続き、亡命イラン映画系「サイの季節」「タクシー」「独裁者と小さな孫」にしてもシリアスな系譜なので、初期マフマルバフ的と言ってもいいような、いい感じの映画に出会えて嬉しい。
大衆的で説明不要の面白さ。前半快調にコメディーで飛ばし、やや型にはまった人物造形だったりもしながら、ちらりと戦禍のレバノン、パレスチナに触れ。生真面目な信徒といわゆる原理主義者との違いは何だろうと考えたり。

イラン女性に加えレバノン出身のヒロインは美しいが、主人公おじさんは国際交流関係の仕事についているエリート、なのかもしれないが、婚期を逃しそうな(従軍経験が影響か?)、絶世の美男とは言い難い、しかもマザコンで上司にもはっきりものが言えないちょっと情けない男。
わざわざ改宗してレバノンから嫁入りしてくれた妻に対して、心遣いなさすぎ。
姑と小姑たちも絵に描いたように意地悪で漫画的だ。
イラン人もこういう橋田ドラマ的なのがお好きなのか。

(まだ書きかけ)

青いターバン

イスラーム映画祭で久しぶりにユーロスペースに行った。

劇映画「禁じられた歌声」とドキュメンタリー映画「トンブクトゥのウッドストック」はマリの古都ティンブクトゥまたはその近郊の遊牧の民トゥアレグ(自称ではケル・タマシェク)についての作品だった。
ケル・タマシェクやトゥアレグというのは初めて聞いた言葉のように思う。が、以前読んだ『アラーの神にもいわれはない』には言及があったかもしれない。衣装には青を好んで用い~やはり砂漠の民だから水は恵みとして青が愛されているのか、と思いきやむしろ空の色との認識であるようだ。で、他のイスラームの民と違って、顔や肌を曝さないような装いをするのはむしろ男性。ターバンで髪と鼻から下を覆い、ゆったりとした長袖の上衣とやはりゆったりしたズボンで体を露出させないようにしている。こういう特徴があるエスニックグループだとは、ほんと、知らなかった。


「禁じられた歌声」を観ていると、ソ連映画(グルジア)「希望の樹」が思い出された。
聖愚者的な女性の存在とか、愛する二人の運命、駆けて来て去って行く人(片や馬、片やバイクに乗っている)など。
「希望の樹」は古い因習・社会が恋人を引き裂く完全な悲恋ものだが、一方の「禁じられた歌声」は2012年1月のマリ北部独立紛争(「アサワド」独立を宣言、国際的には未承認状態)、その後「イスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構」を名乗るいわゆるイスラーム原理主義者たち※によってティンブクトゥが占拠された当時の、その支配あるいは弾圧と、庶民の苦しみそして抵抗という、非常に今日的で社会的な要素てんこ盛りの、重たい映画であるので、単純な比較はできないが、監督はソ連の映画アカデミー出身(全ソ国立映画大学)とのことなので、同じ師匠筋かも?などど想像してしまった。
(ロシア語のウィキペディアを見たが、大学で誰に師事したかの記載はなかった。)

まずもって、映像の美しさは特筆すべきだろう。
ロングショットの多用はタルコフスキーやソクーロフを思わせる。
ああいう人たちが支配する地域では、なぜかサッカーが禁止され、「違反」した少年が処刑されたなんていうニュースも目にしたが、この映画では鞭打ち刑が言い渡される。
音楽やっていて捕まって同様に鞭打ちされる女性は、刑を執行されながらそれでも歌う。
歌って抗議、というより、その心境をそのまま吐露する。
それは壮絶な姿だ。
対し、違反とされたサッカーをそれでも止められるわけがなくて、少年たちがとった手段は”エアサッカー”とでもいうべき、ボールなきサッカーで、あたかもボールを蹴り、ドリブルし、阻み、シュートし、セーブしようとし、ゴールパフォーマンスをし、といったシーンがえも言われぬ美しさで心を打つ。本気で泣けてくる。
いや、実はばればれだろ、という突っ込みはなしで。
(ゴールも撤去した方が安全だよね、とは思った。)

「トンブクトゥのウッドストック」の方は、2011年1月に、ケル・タマシェクの民が一堂に会し、また外部の人々にも自分らの文化の発信をすべく開催された音楽祭「砂漠のフェスティバル」(音楽だけでなくラクダレースなんかもあるが)の、つまり上記の政変やアルカイーダ系の人々による占拠・支配の直前のドキュメンタリーだ。
あ、こういう自らの国家を持たず幾つかの国にまたがって分布する形で遊牧あるいは放浪する人たちが年に一回とか集まって絆を確かめ合うって、見たことあるじゃん、そう、ロマの人たちのあれと似ているかもって思った。
ケル・タマシェクの人たちの音楽は、きっといろいろあるのだろうけれど、音楽祭でやっていたのは、アフリカの伝統的な楽器というわけではなくて、エレキとかドラムなんかも用いながらのものだったりした。
ギターは「禁じられた歌声」でも出てきて、身近な楽器なのだろう。
イランあたりでも聞かれるような、女性の特色ある発声もあった。

(ゲストトークでも、青木ラフマトゥさんが実際にその声を出してくださった。)

※字幕では「サラフィスト」という言葉が当てられていた。


2015年12月11日金曜日

オデッサ・コスモス: ◆Спектакль森は生きている/12の月

オデッサ・コスモス: ◆Спектакль森は生きている/12の月: 年末年始の定番「森は生きている( 12 の月)」 « Двенадцать месяцев » 特集です。 ①劇団仲間公演「森は生きている(十二月物語)」  サムイル・マルシャーク作湯浅芳子訳髙田潔演出  12/23 (水・祝)~ 27 (日)・ ...

2015年12月6日日曜日

12月6日日曜日

今日はサンタクロースの日なので、普段だったら職場では皆で示し合わせて赤い服を着ていく。
が、去年は土曜日で(当番だった同僚は一人で赤い服を着ていったというが)、今年は日曜日。
仕方ない、職場には行かないが、教会と日比谷の集会、それに間に合えば上智に、赤い服を着ていくか。

昨日、上智の講堂で語劇祭のゲネプロがあり、ロシア語劇「委任状」を観た。
帰りに寄ってみたイグナチオ教会は、

 
まだ制作中。
 
我が家の玄関のサンタクロースならぬジェット・マロース(変な訳ですが…厳寒おじいさん)とスネグーラチカ(雪娘)などです。
 
中央赤いの:ジェット・マロース
その右青いの:スネグーラチカ
その右白いの:雪だるま
その右:犬かな?
その右緑:たぶんヨールカ
 
 
 


2015年12月5日土曜日

エスペラント・ブランキー

前項の「今年のクリスマスに贈る本」に書いた『くろうまブランキー』は、最初に出た時には、実は縦書きだったのだ。

 
 
写真右下が『「母の友」絵本33こどものとも くろうまブランキー』(初版)40円〒8円。
縦書き。
そして冒頭に「おはなしを してあげましょう。」という一文がある。
この文は、以降の『ブランキー』からはなぜか消えている。
 
左上は1967年新版、ビニールカバー付きと帯付き。280円。
「フランスの子どもたちがつくった、ほのぼのと心暖まる作品。絵もやわらかなふんい気をだしてお話にぴったり。親も子もぜひ一読してほしい。」
裏表紙の帯には作者紹介が載っていて、堀内さんはもちろん、伊東三郎も存命で、日本子どもを守る会常任理事というのが当時の”肩書き”。 
 
右上は現在の『くろうまブランキー』(2013年刷)
数年前に色鮮やかにプリントし直したとかいう話。
 
左下はブランキーの原文、つまりエスペラントでタイプ打ちされたもの。
ただ、原稿というわけではなく(絵が堀内誠一さんだとか書いてある。で、再話者については伊東三郎ではなくて、I.U.(イーウ)と書いてある。
この物語を作ったのはフランスのフレネ学校(現存しない)の生徒たちだから、厳密に言うとオリジナルはフランス語なのだろうが、フレネ学校の先生から伊東がこの物語を入手したのはエスペラントを通じてのことだったから、このとき既にエスペラントの「ブランキー」があったのだろう。
(伊東は大阪外語大のフランス語科中退なので、子どもたちの書いたフランス語から訳せないわけではないと思うが、フレネ学校の先生とエスペラントを通じた交流で、「ブランキー」を知ったはずだ。)
 
子どものころから、私は、ブランキーはカタカナで書かれている(一部振り仮名が付されている)のに、「さんたくろーす」とひらがなで書かれているのか不思議だった。
祖父に聞ければよかったが、さすがに疑問を持ったのは没後だったと思う。
なので、聞くことはなかった。
 
今改めて確認したが、『ブランキー』の文中でカタカナ書きされてしかるべき言葉は「ブランキー」と「さんたくろーす」だけであり、つまり外来語を使っていない(流石に「りっぱ」とか「しんぱい」とか漢語は少しあるが)。
他の絵本もそうだったのかもしれないけれど、ほぼ全編日本の言葉で書かれた児童書だったのだ。
 


2015年11月30日月曜日

今年のクリスマスに贈る本

もう12月!
というわけでありまして、今年も書きます、クリスマスに贈る本。

堀内誠一さんの絵本デビュー作。パウル・クレー風の絵がとっても素敵。
ストーリーも泣かせます。フランスの小学校の児童達の共同制作なのです。

祖父から贈られた本で、これまでに何度も何度も読みました。
おじいさま、ありがとう!
この本は、私にとって、永遠のクリスマス絵本なのです。


出版社の紹介分より
「ある朝ジョギングにでかけた小枝のパパは犬に追いかけられ、子供の遊び道具にされ、 鳥の巣になり、川に流され、バットにされたり、ブーメランにされたり……単なる小枝として小枝のとうさんは散々な目に遭います。
そんな小枝のとうさんに奇跡がおきます。
子供たちが大好きなクリスマスのヒーロー、サンタさんによって・・・。2015年11月末に刊行されたばかりの本。読んでみたい。

猫にいがちなちょっとすねた表情が可愛いトスカ。すてきなクリスマスになってよかったね。

『くろうまブランキー』に似ている。まず、ストーリーがある意味そっくりで、サンタクロースの橇が夜空を駆ける場面の絵も堀内誠一さんのそれにそっくりだ。心温まる話ではあるが、その点がひっかかった。

日本エディタースクール出版事業部
発売日 : 2003-12
動物に関するロシア民話を集めてあります。
ペテルブルクで訳者の留学仲間だったというフィリップ・キイーさんの絵はちょっと地味ながら上品でいい。

宗教の融和と平和なクリスマスを願うほのぼのしたいい話。でも、難しいことを考えずとも、読んだら優しいきもちになるでしょう。

ハリーも、おかあさんも、サンタさんを信じていたんですね。

お母さんが病気でお父さんがふさぎこみ、クリスマスの準備をしていない家。
その家のねずみがねこのおかみさんに「何とかしよう」と呼びかけて、サンタクロースを迎える準備をします。
ねことねずみのクリスマスの話はビアトリクス・ポターの『グロースターの仕立て屋』を思い起こさせます。
このねこのおかみさんはなかなか有能ですが、言われるまでは暖炉の前でのびて寝ていたんですね。
手柄はねずみに譲り、控え目なところもいいです。
目覚めたお父さん、しっかりしてくださいよ。

『うさこちゃん』のブルーナによるクリスマス物語。
横長の判で、いわゆるブルーナ・カラーから外れた茶色・深緑・グレーなど彩度の低い色遣いが目立ちます。
しかし、シンプルな造形はそのままで、優しく静かにキリスト降誕の福音を伝えます。

パラパラ漫画にちりちりと鈴がついています。さあ、皆練習してうまく鈴が鳴らせるようになりましょう!知人に贈ったら、彼女は慰問に行った養護施設で子どもたちに喜ばれたので置いてきたという。そうしてもらって嬉しい。

クリスマスは皆幸せになることになっている。

クレア・ターレイ・ニューベリー文・絵光吉夏弥訳大日本図書1988年刊
カチャーノフの大傑作アニメーション「てぶくろ」のねこバージョンみたいで、こういう話には私はめろめろです。
シャムもいいけど、白黒ねこも可愛いぞ!

現在入手できるのは改訳されて少年文庫に収められた『青矢号 おもちゃの夜行列車』。
でも、挿絵はリウニティ社版から採ったというM.E.アゴスティネルリのものがいいと思うので、1965年刊行の「岩波ものがたりの本1」として出されたこの旧版が好き。
チェコのアニメーションによくあるような、おもちゃたちが自らの意思を持って子どもたちにプレゼントされようとするストーリー。
ロダーリは『チポリーノの冒険』等貧困や不正に対して果敢に闘う冒険ものが得意な児童文学者。本職はイタリア共産党発行の子ども新聞の編集者でした。
なのでソヴィエトで支持されたのだろうけれど、親が貧しいためにプレゼントを貰えない子どもたちのためになろうという、おもちゃたちの言動が泣かせます。

なお、この絵本のストーリーが展開するのは、クリスマスから約2週間後のエピファニー(1月6日)です。
(イタリアではクリスマス・イヴではなく、エピファニーの日にプレゼントを貰うのです。)

現在入手できるのは改訳されて少年文庫に収められた『青矢号 おもちゃの夜行列車』。
でも、挿絵はリウニティ社版から採ったというM.E.アゴスティネルリのものがいいと思うので、1965年刊行の「岩波ものがたりの本1」として出されたこの旧版が好き。
チェコのアニメーションによくあるような、おもちゃたちが自らの意思を持って子どもたちにプレゼントされようとするストーリー。
ロダーリは『チポリーノの冒険』等貧困や不正に対して果敢に闘う冒険ものが得意な児童文学者。本職はイタリア共産党発行の子ども新聞の編集者でした。
なのでソヴィエトで支持されたのだろうけれど、親が貧しいためにプレゼントを貰えない子どもたちのためになろうという、おもちゃたちの言動が泣かせます。

なお、この絵本のストーリーが展開するのは、クリスマスから約2週間後のエピファニー(1月6日)です。
(イタリアではクリスマス・イヴではなく、エピファニーの日にプレゼントを貰うのです。)

日本では今年上映されたスヴィエラークの人形劇(アニメーションではないようだ)映画「クーキー」にも、善きことをしようという意思を持つおもちゃ・縫いぐるみらが登場するが、ロダーリのおもちゃたちはより貧しく虐げられた者たちに寄り添っているように思えますね。 特に今わの際の老女と共にあろうとする人形に心打たれました。
これぞクリスマス精神!
絵が少々残念。

サンタさんをお手伝いするろばのお話。
『くろうまブランキー』に似ているかも。

有名な『てぶくろ』の同画家によるリメイク。
リメイクというと大抵はオリジナルより評判が悪いものだが、これは稀有な例外で、あっさりして上品な味わいのある素敵な絵本に仕上がっていて、これもまたよし、との評価を受けています。

クリスマスないし冬の絵本としては、これは定番中の定番かなあ。

天に召された友人に思いを馳せつつ・・・。

シメリョフ、テフィ、ブーニン、ゾシチェンコ、ナボコフ、チョールヌイ、ドストエフスキイ、ソログープ、グリーン、クプリーン、チェーホフ、ワグネル、レスコフ、と錚々たる顔ぶれのクリスマス物語集。
アレクサンドル・ベヌアの絵の表紙がおしゃれ。
CD付きも販売されているけれど、表紙のデザインはCDなしの方が好き。

未知谷のチェーホフ・コレクションはどれも宝物になる。絵を描いたタバーフは世界的アニメーター、ノルシュテインの愛娘。
ヨールカ(樅の木)に飾り付けしている絵のカードが欲しいなあ。

2015年11月29日日曜日

くにたち2015

前回国立に行ったのは2009年3月だった。
今回は東西書店が閉店していた(まだ一部の看板は残っていた)。
銀杏書房のレジにはおばさまが座っていた。

そして会場の私立男子校がピカピカに建て替わっていた!
上履き履くんですよ、あの男子校が!
それで、会場の教室を、前を歩いている現役の生徒さんに尋ねたのだが、「あちら側の校舎で、確か3階です」とあやふやな答え(結果として正解ではなかった)ので、生徒さんたちもまだよく把握していない様子。
一橋大学の中に入ってみたら、そこもまた変わっているのだと思う。

しかし、相変わらずロージナ茶房は健在で、当日利用した方の話によれば相変わらずのボリュームであるとのこと。

駅前は整備中。南北の出口をつなず自転車道も、どうにかしようという雰囲気ではあった。

2015年11月23日月曜日

カザフ、天使が見たかった

カザフの「わたしの坊や」 干上がったアラル海沿岸の「打ち捨てられた」町なので厳しい環境ではあるが、映像は美しい。でもカネフスキーとかの90年代にロシアで盛んに作られた暗黒映画の系譜で新鮮さ無し。「トライブ」にも似ているがエログロではないのが救い。
「わたしの坊や」とウクライナの「トライブ」の共通点は主人公が障害者という点、90年代ロシア暗黒映画の真似っこである点。人まねでないテーマで作れるようになったらいい監督になるかもしれない(と、「トライブ」のときも思ったのだった)。

左から2番目が監督さん


オデッサ海岸通り: ウクライナ映画の遠い夜明け: ウクライナ映画「ザ・トライブ」をようやく観た。 実は予告を観て、あまりそそられない映画だった。 友人が「荒んだ世相を表した作品のような気がします」と手紙に書いていたが、私もそんな気がしていた。 そんな映画、ソ連崩壊後のロシア映画によくあったじゃないか。 初期ボドロフ、カネ...

パナヒにしてやられる


東京フィルメックス映画祭ジャファル・パナヒの「タクシー」はいかにもなドキュドラマだけど、パナヒの術中に快くはまった。キアロスタミの「十話」みたいかと思ったらさにあらず。でもこれじゃ上映許可でないよな。挑戦的な(挑発的ともいう)パナヒさん。

相変わらず映画を作ることをイランの政権から禁じられているパナヒさん、前作は「これは映画ではない」という人を喰った(まさに挑戦的な)作品を作ったが、これもその延長線上にあり、しかもあざとさ(いい意味で)も上を行く。

イランのタクシーは相乗りするので(しかも、公共機関では禁止されているはずの男女の相乗りもありで、マルシュルートカ化している)、最初タクシーに乗っているのは見知らぬ男女、いきなり死刑論議を始める!
でもその後のおじさんがなかなかコミカルなキャラ。

(ここでトルコのジェイラン監督への言及。憧憬も当然あるだろう。)

あと口達者な姪御ちゃん、「白い風船」や「運動靴と赤い金魚」等々に出てくるおしゃまなイランの女の子の系譜だが、まあかなり強力な、ねびゆかんさまさぞやという…、いや可愛いんですよ、とっても。

こういう作品を緩く見逃すようになってこそ、なのだよ、ロウハニさん。

2015年11月22日日曜日

永遠なるグルジア、永遠なるピロスマニ

今なぜ「ピロスマニ」の再上映なのか。
今回はオリジナルのグルジア語版での上映だという。

でも、まあタイトルやクレジットはキリル文字(つまりロシア語)表記。
あと、途中で音が途切れたと思ったら突然ロシア語に切り替わったところがあった(姉夫婦が訪ねてきたところ)。

一緒に観に行った家人は完全にピロスマニをアンリ・ルソーと勘違いしていた。
画風、似ているか、そういえば。

岩波ホールのロビーでは彼の絵の写真が展示されていた。
「百万本のバラ」のマルガリータの絵もある。
(映画にはマルガリータは出てくるが薔薇のエピソードには触れていない。)



こちらの本を読んで、画家の生涯、また彼の絵についての知識がついていたので、

ピロスマニの生涯に沿って、次に絵に描かれた対象別に、彼の絵を紹介・解説している。著者の思いがそれぞれにこもっていて心打たれる。ピロスマニの映画は何度も観たし、彼の絵も展覧会で何度か観たけれど、黒いキャンバスを使っていたとは知らなかった。映画ではいかにも浮世離れした天才という感じだったが、実際繊細な神経を持つ大変人だったようだ。新書なので絵は小さいが、いたしかたないだろう。
シェンゲラーヤの伝記映画の情報も勿論書かれている(パラジャーノフの方があまり言及されていない。)
「グルジア」はロシア語由来ではなくペルシャ語が元になって周辺地域の言葉に反映したもので、この部分の説明は間違っている。

この映画自体観るのは4回か5回目かだけれど、深い思いで鑑賞できたように思う。
(会場の岩波ホールでも販売していました。)

映画「放浪の画家ピロスマニ」のプログラムも、画家のはらだたけひでさんの詳しい解説(画家の生涯と絵画作品に沿ったもので懇切丁寧)、児島康宏先生、配給の丹羽高史さんという豪華メンバーによる充実の内容だ。
欲を言えば、映画そのものについて、つまり出演俳優の情報が掲載されていたらよかった。

今でもワイルド・イーストなカザフ

渋谷ヒューマントラストにカザフ映画「ザ・ファントム」を観に行った。
長州力氏が公式レフェリーの「モースト・デンジャラス・シネマグランプリ2015」のうちの1本、といっても長州さんがセレクトしたわけでもなさそう。

カザフ映画なのに全編無理無理の英語だったので移入が難しかったが、なんか頑張ってそこらじゅうでピコピコしている(そういうところでSF感だそうとしている)映画。
金城武VSアンジェリーナ・ジョリーみたいで10年位前の香港のアクション映画みたいでそれなりに楽しめる。あくまでそれなりになんだけど。
背景は勝手にご想像ください的姿勢だった。いまいち動機が何かとか詰めていないので、細かいことを気にする人には向かなそうだ。
でもカザフはワイルド・イーストな国なので、大目に見るべき。

一見エドワード・ファーロングかブラッド・レンフロ風(例えが古くて自分で苦笑する)ハッカーくんが意外と身軽で強かった!
このハッカー役ニキータ・プレスニャコフって、アーラ・プガチョヴワの孫なのか!
両親とも歌手で俳優、本人も本業はロックシンガー?
映画のキャリアもすでに10本(未公開含む)お父さんのウラジーミルさんは「第九中隊」に出ていたって?探そう。

2015年11月15日日曜日

ポーランドのホラーコメディーを観た

って、ワルシャワ蜂起についての、若手監督が撮ったという作品なんだけどね。
本人は真剣な映画作ったつもりかもしれないが、「なんじゃあ、これは」というノリでした。

ポーランド映画祭初日「リベリオン ワルシャワ大攻防戦」今までで最低のポーランド映画だった。
ワルシャワ蜂起体験者から抗議があったというのもさもありなん。ここぞというときに変な音楽が流れてストップモーション、ワイヤーアクションあるいはCG処理でドン引きです。ホラーコメディー観た気分.
ま、映画大国ポーランドにもこんな駄作はあるんだな、ということではちょっとほっとしたりする。この監督、ドキュメンタリーでも「ワルシャワ蜂起」を撮っていて、そちらも観られたらよかったのだが、観られる日程じゃない。
何がだめだったのか?まず、主演二人が他に誰かいなかったの?というくらい大根だった。仲間の若者たちのキャラクターもぼやけていたし。当然体験者の手記を読んだり話を聞いたり研究はしているのだろうが、何だか現実離れした絵だったし。残酷な殺傷場面は多い。
残酷殺傷場面が受け付けないというのではない。嘘っぽく、こじつけっぽいのが嫌。ただ、これまでワルシャワ蜂起の映画は重苦しい曇天や地下を這いずるものだったのが、からっと晴れたところでの戦闘(というより文字通り血の雨が降ってきたりする)のは新鮮だった。

2015年11月8日日曜日

亜鉛の少年たちを読み直す

立ち止まってくれないか。
ロシアのシリア介入に際して読み直す。また、これらの悲劇・惨劇を繰り返すのか、学ばなかったのか、と暗澹なる気持ちに。
タイトルにあるような、アフガニスタンで戦った兵士・元兵士たちのインタビューが中心だが、軍医・事務職の女性、戦死者の母、妻の証言も貴重。

オデッサ・コスモス: ◆КНИГА『シンプルがかわいい 北欧の生活雑貨手作りノート』

オデッサ・コスモス: ◆КНИГА『シンプルがかわいい 北欧の生活雑貨手作りノート』: エストニアの豚編みぐるみ(表紙)、大人気。 できる人には数時間で編み上げられる由。 シンプルがかわいい 北欧の生活雑貨手作りノート 著者 : 林ことみ 青春出版社 発売日 : 2007-09-01 ブクログでレビューを見る» ...

2015年11月5日木曜日

オデッサ・コスモス: ◆Кинофильм「ロシアン・スナイパー」"Битва за Севастополь"

オデッサ・コスモス: ◆Кинофильм「ロシアン・スナイパー」"Битва за Севастополь": 「ロシアン・スナイパー」 "Б итва з а Севасто по ль " 2015 年 / ロシア・ウクライナ /123 分 セルゲイ・モクリツキー監督 ヒューマントラスト渋谷で特集上映( 「 MDGP (モースト・デンジャ...

2015年10月28日水曜日

ロシア関連映画放映情報: ◆Передача/Кинофильм レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺~Сладкая ...

オデッサ・コスモス: ◆Передача/Кинофильм レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺~Сладкая ...: 「レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺」 "Вий" 2014年/ロシア/ウクライナ/チェコ/112分 11/6(金)午前9:00~ WOWOW ★ゴーゴリ原作『ヴィー』、アレクサンドル・プトゥシコ監修の「妖婆 死棺の呪い(魔女伝説ヴィー)」のリメ...



以下11月のCS放映情報

2015年10月25日日曜日

黒いピエロ ヴェルチンスキーの長い道

昨日は早稲田のキャンパスへ。
桑野塾へ。
武隈喜一さんによる報告「黒いピエロは何を歌ったのか?―亡命の歌手ヴェルチンスキーを聴く」を拝聴する。
内容に関心が凄くあったのもあるのだけれど、春の学期にロシア語を教わったХ先生にお会いできるのではないかという算段もあった。
今期は曜日が変わって春の授業を継続できず、違う先生になってしまったため、お詫びをしたかったのだが、Х先生の連絡先を伺っていなかった。
Х先生は桑野塾で報告されたこともあり、もしかしていらっしゃるのでは?と思ったのだが…。

それはさておき、ヴェルチンスキーである。

オデッサ海岸通り: 長い道を: 年齢がばれてしまうかもしれないが、その曲、私は「花の季節」で習った。 いや、今教科書を広げてみて、何の書き込みもないところをみると、授業ではやらなかったのかもしれない。 でも、私はリコーダーを吹くのが好きだったので、授業でやらなかった曲も、教科書に載っていたのは全部自分なりに...

※ここでボリス・フォーミンと書いているが「フォミーン」が正しいようです。訂正します。

以前昭和女子大学で催されていたユーラシアサロン(ユーラシアブックレットの著者を囲む会)で、歌手・女優でロシア歌謡のオーソリティである山之内重美さんが講師となった回の様子を書いた拙ブログ記事だが、この名曲「長い道を」を歌って世界中に広めたのが、亡命歌手アレクサンドル・ヴェルチンスキー。

武隈喜一さんの新著については、オデッサ・コスモスで「是非読んで」という下手な文を書いたところだが、私が書いたのより、お仲間の大島さんのレビューを読む方がいい。
なかなか読みやすくていい本なのでどうぞどうぞパジャルスタ。



この「長い道を」を歌っていた歌手のアレクサンドル・ヴェルチンスキー、まさかとは思ったが、女優のマリアンナ&アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ姉妹のお父さんだった!うわー…。桑野塾って凄い。
桑野塾の皆さんには(そしておそらく世間的にも)、ヴェルチンスカヤ姉妹では妹のアナスタシヤの方が評価は高いようだが、姉のマリアンナはマルレン・フツィエフ監督の「私は二十歳」のヒロインとして記憶に留められ、もうこの一作だけで必要にして十分だと言える。「私は二十歳」のアーニャのいないソ連映画が考えられるだろうか??
アナスタシヤは早稲田の演劇博物館にサイン入りポスターがあったと思うが、コージンツェフの「ハムレット」でヒロインのオフィーリヤを演じたほか、「アンナ・カレーニナ」「戦争と平和」などの文芸大作、忘れてならないのは佐藤千登勢先生著『DVDで愉しむロシアの映画』で触れられた「両棲人間」のヒロインである!!あと、ニキータ・ミハルコフと結婚していたことがあって、息子のステパンが「第九中隊」のプロデユーサーとかしている。

桑野塾で得た驚愕の史実はこれに留まらず、沼辺信一さんが、「トルーマン・カポーティのルポ『詩神の声聞こゆ』に登場するネルヴィツキーという歌手=ヴェルチンスキーである(Нервитский➡ Вертинскийのアナグラム)」というネタを提供する。(→元記事

ヴェルチンスキーの歌う曲
「小さなクレオールの子」
「オウムのフローベル」
「私が言わなければならないこと」(1917年10月)
「三人のパジ」(作詞テッフィ)この曲が唯一長調
「最後の手紙」(原詩エセーニンの遺書だが大胆に改変)
「異郷の町々」
そしてもちろん「長い道を」
を聴く。
テッフィの詩の歌以外は短調でノスタルジックな哀愁漂う、いかにもなロマンス。

おまけ:
桑野塾でいただいた、カザフスタンはアルマトィのチョコレート、の包み紙。

チョコは美味しかった。べとっとプルーン入り。これをラミネートしてリボンをつけ、栞を作ります。

2015年10月23日金曜日

オデッサ・コスモス: ◆КИНОФИЛЬМ「独裁者と小さな孫」

来週の授業で、この映画の紹介をロシア語でするつもり。
イランの有名な監督であるモフセン・マフマルバフがグルジアで撮ったファンタジー。


オデッサ・コスモス: ◆КИНОФИЛЬМ「独裁者と小さな孫」: 今、小さい子連れて歩いている独裁者と言えばルカシェンコだが、この映画が撮影されたグルジアも、現代において独裁者を輩出?してきた土地柄であり、イランの著名な監督であるマフマルバフがグルジア語で、グルジア人俳優たちを使って撮ったこの映画は、サアカシヴィリらグルジア政界の独裁者のお歴々...

2015年10月20日火曜日

ソフィヤ人気

今日、上智猫に会えた。
と言っても、正確には上智の構内ではなくて、お隣のイグナチオ教会にいました。

大きな声で鳴いていて、教会の方とすると、敷地内にいられるとちょっとまずかったようで、外堀の土手の方に誘導しようと、おばさまがこっちこっちと招くと嬉しがってにゃーにゃーと言いながら走って追いかけていきました。

オレンジ猫系は初めて見るな。
(今まで会ったことがあるのはウッシー(白黒斑)かシマちゃん(鯖虎)だった。)
さしあたり、ソーニャと呼んでおこう。

ところで、今年モスクワで生まれた赤ちゃんに多い名前についての記事によると、なんと
ソフィヤがトップ。
ちょっと前に(いや、だいぶ前というべきか)沼野恭子先生が、「最近のロシアの小説にソフィヤという名前がタイトル・ロールで出てくる」として、ウリツカヤの『ソーネチカ」』、タチヤナ・トルスタヤの『ソーニャ』などを挙げていました。
(もう一つ小説をあげていらっしゃったが、失念。)
エレーナと対照的に不美人を連想させるような名前(文学の中では)とのことだったけれど、今では人気なのか。意外。
名前の印象

男の子の名前上位:アレクサンドル、マクシム、ミハイル、アルチョム、イヴァン
女の子の名前の上位:ソフィヤ、マリヤ、アナスタシヤ、アンナ、エリザヴェータ
変わった名前:セヴァストーポリ、ラスヴェト、ジャズ、シーラ、ヴィザンチヤ、ルナ

セヴァストーポリはクリミヤ併合を意識しているのでしょうか。(ヴィザンチヤもか?)
じゃあ、フェオドシヤとかもありそうだけど・・・。

2015年10月18日日曜日

二度見の作品その②「ボーダレス」 オデッサ海岸通り: これから観る映画

何度でも観たい、これらの作品。
(「ナバット」も一般公開されてほしい。)





「草原の実験」
忘れえぬ映画、風景、音。







「ボーダレス ぼくの船の国境線」

昨年の東京国際映画祭で監督さんたちのアフタートーク。
この時は「ゼロ地帯の子供たち」というタイトルで、これはまたすごいイラン映画が出てきたものだと思ったものだ。一般公開なってとても嬉しい。沢山の人に観てほしい。

 
イランの少年はたくましくて優しいよね。何か背負って立つとなおさら。
主人公少年を演じたアリレザくんはエンジニア志望で映画界に興味はない模様。
 


 
 
映画「ボーダレス ぼくの船の国境線」は、イラン映画の王道を行くような堂々としたドキュドラマ風で、少年の生活音と不気味な外の戦争の気配が印象に残っていたが、見直すと意外と音楽が 挿入されていた。
 
しかし、最初の侵入者(イラク人の子ども)がほぼ最初にするのがロープを張って境界をつくることなのか、と、思うと複雑なものが胸をよぎる。
イラン人少年はロープを外そうとするが(そうしないと生活に支障が出る)、すぐには取れないほどの強度。
(サヘルさんはトークで、この境界が「自然と」なくなっていく、と述べていたが、私が見た限りでは二人は同じ空間で暮らしていく中で意識的に境界を撤回する方向に向かっている。)
 

 

 

サヘル・ローズさん(美しい)のトークイベントも残念ながら満席御礼とはいかなかった。サヘルさんの真摯な言葉は観客の心に響いたことと思う。確かに、少年の,イラク側侵入者への態度の変化の指摘は確か。さすがイラン少年、漢だよ、漢。
アリレザくん、自然と優しい眼差しになっている。
(登場人物中唯一固有名詞が与えられているのが「ハナン」だが、これには「優しい」という意味があるそうだ。)
DJの方の推量はそこまではちょっとどうかなと思った(勉強は俄かながらもしてきたようなのは好感が持てる)が、サヘルさんの感想はなるほどといちいち納得だった。



 サヘル・ローズさんはおきれいだった。日本語はすばらしかった。発言の内容も心に滲みた。彼女ご自身が戦争孤児だから。
映画の舞台となった国境の川は彼女の故郷ホラムシャハールなのでは?と。
(アスガリ監督のインタヴューによれば、映画の撮影場所はアルワンド川(シャットゥル・アラブ川)に実際に30年以上前のイラン・イラク戦争時より放置されている廃船だとのこと。)

そういったサヘルさんの話した内容はよかったのに、サンケイスポーツのこの見出しが世に広まっているのには溜息が出てくる。
サヘル・ローズ、イラン映画PR「異性と話すのは家族か親戚」
サンスポの記者の方が内容の薄い記事を書き(マスコミの方たちは上映後にどやどやと入ってきたので、もしかしたら作品を観ないで書いているのかも、と思わせるような、映画については他人事のような、通り一遍のことしか載っていません)、さらに整理部の人が頓珍漢な見出しをつけているという悲劇的展開だわ。
これ、すでに周知のことだと思うけれど、イラン・イスラーム共和国では、イスラームの教えに基づいて、女の子がヒジャブを身に着けるような年齢になると、男女別の生活になって、異性と対しなくなるから、監督がアリレザくんに共演者の情報を与えなかった意図について、サヘルさんなりの推測を述べているその一部の発言を切り取ったもので、映画のPRしましたという記事の見出しとしては読解力ゼロなもしくは酷いセンス。

オデッサ海岸通り: これから観る映画: ・クルド人監督バフマン・ゴバディの新作「サイの季節」7月11日からシネマート新宿ほか全国順次公開 ・『草原の実験』第27回東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞&WOWOW賞受賞作品 2015年9月、東京のシアター・イメージフォーラムほかで公開 http://cinema.ne.j...