2015年4月17日金曜日

パプーシャの命

ロチャヌーが描くような圧倒的迫力というのではないが、泣けとばかりに心を揺さぶる。
ジプシー(ロマ)の調べはやはりそうなのだ。
クストリッツァの「メセチナ」をはじめ作品中のジプシー・ミュージックも大好きだが、あれはあくまで作品中のツールなんだよね。

そしてポーランド人監督たちのモノクロ映像はただただ美しい。
ポーランド映画の美はいまだ滅びず。

あれだ、さすがに「ニキフォル」の人だ。
神様からアートという賜物を授かった人はニキフォルもパプーシャも、貧しく幸薄い。
根っからの風来坊のニキフォル以上に(あるいはあの百万本のバラの画家ピロスマニも想起させるが)、夫や子どもがいたからこそ、コミュニティーからの孤立には傷つき痛んだのではないだろうか。
現在私たちが彼女の作品を味わうことができるのは、彼女や彼女の周囲の人たちの悲劇的な生涯と引き換えなのではないか?と思うと、ひどく切なく哀しい。
ヒロインのパプーシャもよいが、夫がいかにも、でぐっとくる(「滲みます」という感覚)。

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