2016年9月11日日曜日

作家とサッカー18 ウラジーミル・ソローキン『23000』その2

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このビールの味は変わらない。84年と同じだ。あの頃、ニキビ面の俺は、穏やかなロッテルダムから始めてミュンヘンへやって来た。アヤックス対バイエルン。2対1。巨人(タイタン)たちの戦い。あのとき、〈ホフブロイハウス〉で、俺は危うく鼻をへし折られそうになった。試合の後、阿呆な俺たちはビールを引っ掛けにあそこへのこのこ出かけていったんだ…。軍隊に入るまで、俺は熱狂的なサッカーファンだった。それが今じゃ、どこがどこに勝とうがどうでもよくなっている。今、ゲームをしているのは俺だ。俺が俺のペナルティーキックを行う。時々。そして今のところ、ゴールを決めている…。

三部作の最終巻で妙に現代的になって流行りの固有名詞が氾濫する。日本のコギャルの描写など苦笑する。
あれっていう終わり方。というか、途中から方針変えたみたい。
狂信的なカルトの行く末ということで、仲間内以外には何してもいい、手段としか見ないという態度に、全く共感できず(まあアンチテーゼだろうけど)。
やっぱりソローキンだなあ(今までの作品よりエログロは抑え気味だったけど)、バラバノフみたいだなあ、という感想で、それでもこれまでの路線とは「心」とか言い出した点で違ってきているので、今後ソローキンは晩年のバラバノフみたいになるのかもしれない。

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