2016年12月9日金曜日

認知症になっても許さないナチ残党

佳作だと思うのに、空いていたのが残念。

ナチス残党を追跡するのは認知症老人。
エゴヤンは流石に虐殺逃れた父祖持つだけに苦い後味残す傑作作ったわ。
アメリカもカナダも、ドイツ系といったらこんなにネオナチか?(ネオじゃないか)っていうのはあったけど。
(いくらなんでもドイツ系に失礼なんじゃないかという気が。)
実際のナチ残党よりももっと若い世代のネオナチがこんなにも?!という警鐘を鳴らす映画でもあるのかも。

ラスト5分の衝撃!というが、多少ネタバレ気味に言うと、配役観て、あ、この人ナチでしょとか思ったし、4人のうちやっぱり最後でしょ&それなら二人目も怪しいもんだぜ!となるのだが…。

ナチス追跡についての映画はそれこそ枚挙に暇がなく、古くは「マイ・ファーザー」、最近でも「顔のないヒトラーたち」(アウシュヴィッツって何それ?だった敗戦直後のドイツ司法界の話)や「コロニア」←南米独裁政権がナチ残党と癒着していた絡みのスリリングな脱出劇とかありますが、これは追及するのが介護施設に入っているおじいちゃんで、移動するのも自分で運転できないからバスとかタクシーとかで人の手を借りざるをえない。
そんなので復讐が果たせるのかはらはらさせられるが…
車の運転は無理な耄碌した老人でも銃は買えてしまうアメリカ社会はやっぱり怖い。その反面、困った様子をしていると周囲の人がすぐ「お手伝いしましょう」と手を差し伸べてくれもする。
こんなところは「アメリカ死ね!」じゃないわけだ。

しかしねえ。
わたしゃ許さないよ、認知症になっても!の凄まじい執念の映画だった。


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