2017年12月23日土曜日

マルケータ・ラザロヴァー(チェコ映画の全貌より)


ヒロイン以外全部よかった。
ただチェコ映画史上最重要作品と言われてもそこまでの感じはしない。
「スタフ王の野蛮な狩り」(ベラルーシ)とか「ジプシーのとき」(クストリッツァ!) に似た雰囲気。
いや、「ジプシーのとき」よりは「ジプシーは空に消える」 (モルドヴァ)の方が近い。領主たちは皆さん追い剥ぎ。

惜しむらくはヒロインが「ジプシーは空に消える」のスヴェトラーナ・トマみたいな圧倒的な存在感あるわけじゃなかったこと。女優の力量というより演出の問題が大きいかと思いますが。他の人はよかった。
隻腕のアダムと、聖職希望だったクリスティアンを、ときどき見間違えた。

2017年12月16日土曜日

サンザシの樹の下で

日中友好協会渋谷支部からご案内のお手紙をいただいて、「映画のつどい」に行って来た。
観たのは「サンザシの樹の下で」

中国映画は久しぶりに観た。
張芸謀のメロドラマって、だいたいレアリズム薄いですね。
「初恋の来た道」は、いくら好きでも毎日そんな豪華弁当作れるわけない(経済的にも、時間的にも)とか、なんだ~それストーカーだよ!可愛いから許されるってのか?みたいな態度とかで、中国人のコメントは厳しかったが、この映画でも「そんなわけないだろ!」「それはいかんだろ!」といろいろ突っ込み入れたくなる。
生活費稼ぐためにか弱い体でこれみよがしに肉体労働かってでるのはいいが、恋人がやってくると昼休みに抜け出して水着に着替えて水浴び…昼休み何時間あるのか?何だか隠れ忍んで会っている風ではないなあ、大都会でもないんだから人目があるだろ、どこまで気にしないんだこの人たちは???
あと病院の廊下で時間外に騒いだらいけませんねえ。
いろいろ無理ある。

いや、ヒロイン可愛いですけどね。
相手役もかっこいいし、お母さんも、弟妹も、農村の一家もいい。
風景もいかにも美しく撮っている。
なので、もっと気持ちよく純粋メロドラマ堪能させてもらうために、主人公たちをここまで「恋に盲目」に描かなくてもよかったんじゃないかと思う。
健気なようで案外自分勝手なんだもん、この人たち。

2017年12月13日水曜日

ポーランド映画祭2017

今日の「ズヴィシェク」で、今年のポーランド映画祭の鑑賞終わり。
2回券*7の14回分観たことになる。
今年は解説本は作成されておらず残念。
スコリモフスキのセレクトは相変わらずよい。
存在感たっぷりの巨匠モフモフことスコリモフスキ監督

会場の写真美術館は恵比寿なのでかなり不便、平日はラスト1本も18時台スタートなので殆ど行かれず土日に観るしかなかった。
座り心地はそれなりにいいけど。

「夜行列車」(再見)

「早春」(再見のつもりだったが、以前観たのは「出発」だったので、初見だとだいぶ経ってからわかった)

◎「ソラリスの著者」+監督のインタビュー映像、短編「寄せ集め」

「ベクシンスキー家の人々」

「シヴォルスキドキュメンタリー」(「アイスホッケー」「人生の舞台」「クラシック・バイアスロン」「フェンシング選手」「フランツ・クラマーとスキーの風景」)

「プレイグラウンド」少年犯罪ものなんだけど、これは90年代にイギリスで起こった少年二人による幼児虐殺の実話を元にしているのでは?それともポーランドでも似たような事件があったのだろうか?特に実話を基にしているわけではなくて一般的な暴力衝動を撮りたかったのだろうか?少年たち二人は特に悪童と言うわけじゃなくて、どちらかというとスラヴによくいる天使みたいに可愛い容姿だったりする。障碍者の家族の面倒をみたり、母の恋人?に虐待受けてたりして家庭的にはなかなか過酷な中で少年たちの中にふっと悪魔が覆ってしまって…というホラー展開。言葉を失う。

◎「影」ポーランド映画らしいクラシカルないい映画。

アニメーション「魔法のえんぴつ」より「山で大ピンチ」(再見)「魔法のボトル」(再見) 「ポレック&ロレック」シリーズより2本 「ツィーゲノルト」(再見)「黒」日本語、しかも自然な日本語で。宇宙船の中の男女二人、地上は滅びたらしい。SF短編としてよくできていると思う。日本人女性が不気味でちっとも可愛くない。

「オラとニコデムの家」

「二つの冠」コルベ神父についての記録映像+再現ドラマ。タイトルは幼少の頃コルベがキリストの母マリヤの幻を見て赤い冠(殉教)と白い冠(純潔)どちらを望むか聞かれて両方と答えたというエピソード等々割と宗教色の濃い映画。ポーランドのポーランド人のためのカトリック修道映画。日本、特に長崎も取材。被爆後に大浦天主堂で受洗した日本人信徒の話が心を打つ。上映後のトークでゼノ神父と親しかった方などコルベ神父の散髪をしたその毛髪が残っている話など(周知のとおりアウシュビッツで身代わりの餓死刑を受けて遺灰は撒かれて残っていないので”遺髪”の存在に監督も身を乗り出して聴いていた)比較的内容の有る話が聴けた。
遺灰が撒かれた町の市章は偶然にも二つの冠を表したものなのだそうだ。
一般公開あるか?オフシアターではかなり上映がありそう(特にカトリック絡みで)

監督さん(左)と脇役の大司教役の役者さん
監督さんは若く、俳優のようにカッコよかった
俳優さんは監督のように渋かった

◎「アート・オブ・ラビング」70年代カトリックで社会主義政権下のポーランドで『愛の技法』というセックスマニュアルを著した産婦人科医・学者のミハリナ・ヴィスウォツカの苦闘を描いた伝記もの、フェミもの。ミハリナさんはかつてのジェーン・フォンダみたいだった。ロマンスとしてはほろ苦い。濡れ場は結構多い。すごくいい男はあまり出てこないけど。

「残像」(再見)

◎「太陽の王子ファラオ」ポーランド版「イワン雷帝」っぽい歴史大作。ただし古代エジプトが舞台なので時代考証はこれでいいのかな~という雰囲気はあれど、権力闘争の怖さがひしひし。

◎「スビシェク」(再見)ポストカードプレゼントあった。ツィブルスキ没後50年なのだと。泣ける。何度観ても泣ける。

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」は12/15~公開
「ゆれる人魚」は2月より公開
とのことで、今回は時間が合わなかったこともあったが、劇場公開の場で観ようと思う。

2017年12月3日日曜日

録画メモ

*メトロ42
「ガガーリン 世界を変えた108分」の主役ヤロスラフ・ザルニンが脇役で出ている

*ターゲット・ダウン ミッション1
*ターゲット・ダウン ミッション2